<東京ラブレター2015年3月オンエア>

告知 2013.5.1 2013.8.27

『この子の耳は聞こえてません』 あの日 医者はそう言った
教科書読むように何でもないように 検査の数字をそう告げた
ベッドの上には小さいあなた 管とコードを身にまとう
始まったばかりの小さな命 でも、もう見えない未来

この子をどうして育てればいい 数字じゃなんにもわからない
手当たり次第に育児書さがす 本屋の棚の端から端へ
こんなにたくさん言葉はあるのに 誰も私に答えない
枕辺で歌う子守り歌 届かないのか 声は

抱きあげる手に 力を込める 私は自分が怖ろしい
私の中の真っ黒な闇が 振り出しに戻りたがる

私は知っている この世界の冷たさ 酷さ
自覚のない差別 受け入れないかたくなさ
顔の無い人々は 遠くから責め立てる
きれいごとは絵空事 ここを渡って行けるか

旗を高く掲げよう 私たちはここにいる
鳥よ風よ 私に気づけ ここで生きるために
共に生きるために


ウチの息子は 2013.5.13

ウチの息子は かなりわからんちん とんちんかん
何度叱られても屁の河童 二度やることは三度やる
ウチの息子は 見たがり聞きたがり喋りたがり
『なんでなんで』を繰り返すけど 答える時にゃもういない

認識範囲は 半径 そうね1メートル
目の前から消えれば無いのも同じ 落とした消しゴムも拾えない

そのままで良いなんて 言ってやれるほど心は広くない
もう少し何とかなってほしい親心

ウチの息子は 人が好き 大好き
目と目が合えばお友だち 言葉交わせば大親友

空気を読めない 顔色読まない 加減を知らない
好きの気持ちだけで一直線 
しつこくてしつこくてしつこくてしつこくて ごめんね

そのままで良いなんて 言ってやれるほど心は広くない
もう少し何とかなってほしい親心

お酒の席が大好き おかわり注文お手のもの
帰り際には必ず言うよ 『もう一軒いこう』 誰に似たの

そのままで良いなんて 言ってやれるほど心は広くない
だけど それなりにあんたと 笑いあうのは悪くない
そのままのあんたとでも 笑いあえれば悪くない


コトバ 2014.11.

『あいうえお』は簡単 『かきくけこ』は難しい
『さしすせそ』は大変 『たちつてと』は物による

ろうそく吹いたり うがいをしたり
訓練たくさんしたけれど あんまり上手じゃない
だけどおしゃべりは好き
新しい先生になると コトバはなかなか伝わらない
クラスの友達が通訳をする

『なにぬねの』はそれなりに 『はひふへほ』はコツがいる
『まみむめも』は大丈夫 『らりるれろ』はちょっとヘン

同じになろうとがんばってみても 追いつけるもんじゃない
伝えたい気持ちいっぱい だから君に話しかける

コトバを繋いでいくものは しゃべる方だけじゃないね。
だから聴き取ってくれる耳に ありがとう
コトバ受け止めてくれる君に ありがとう


不思議 2014.11

耳は聞こえているけれど 聞きとることはむずかしい

目は見えているけれど 読みとることはむずかしい

あなたの こころと からだと 知識は

どんなふうにつながっていて

どんなふうに 育つのだろう